たまたまの経験や趣味も含めて、人生キャリア上でやってきたことが様々にカチッ、カチッとはまって、私は今幸福だ。いわば「本業」のホット・ヨガ・インストラクター業は日収2万をもたらしてくれるし、副業のコスプレ動画配信はそれ以上の潜在機会収入と自己肯定感を与えてくれる。足りないものがあるとすれば、それは何といっても第一にオトコだ。私は今でも年間8人くらいは男を食ってるが、コンスタントなセックス・パートナーにしてもいいなと思える男に出逢えるのは3年に1人ってとこだろう。何でもかんでも思うように手に入れられるものではないというのは、そしてそれは必ずしも哀しいことでもないというのは、30代半ばに入った私には受け容れるに難しい人生の真実ではないのだが、それにしたってなぜ、という気持ちもまた折に触れ湧いてくる疑問だ。なぜ今のこの時代には、当たり前にセックスを共に楽しめる相手の男がこれほど見つけ難いのだろう?なぜあの頃の自分には、あれほどいい男やいいセックスがたやすく手に入っていたのだろう?ウェブを見れば様々な端々から、それが日本社会の総貧困化に因るものだと、納得できなくもない知見に達することもできる。でもじゃああの頃の私たちは、そんなにリッチで恵まれた環境下にいただろうか?悪くない四大在学生の悪友と私、隣県からたまたま出張で来ていたリーマンの彼。少なくとも誰も特別なエリートだったわけでもなく、ホテルのプールが特別なセレブだけに開かれた高級ステージだったわけでもない。あの頃の私や似たような若い男女には、プールで知り合った異性とのひと晩限りの胸躍るセックス・アドヴェンチャーみたいなものは、たとえば優良なスーファミ・ソフトとの出逢いのような、あってもなくても人生に変わりはないがあると嬉しい、そんな消費行動の一端程度のものだったのに。



悪友Cと知り合ったのは、大学の体育実技に水泳の授業を採ったのがきっかけだった。水泳を早くからやっていたCは初回の授業にものすごくハイ・レッグの競泳水着を着てきていたが、そのクラスでも1/3くらいは同じような水着を着ていて、私はむしろ自分のローすぎるくらいのレッグ・カットのおとなしくておダサな素人用スクール競泳水着もどきを恥ずかしく思ったものだった。それで早速その週の内に専門店を探しに出かけ、彼女たちに負けないようなスイマー向けの本格的なスピードのハイ・レッグ水着を購入したのだ。その、いわば効果は覿面で、2回目の授業が終わって皆が三々五々に体育館からはける中、Cが声を掛けてきたのだった。



都内生まれのCは、何事につけても如才なく、スマートにグラマラスに女子大生生活を謳歌していた。地方からの上京組の私は、最初の内こそ何か気後れするようなものをCの「遊び」っぷりに感じてもいたのだが、何くれとなく誘ってくれる小から大のお出かけが重なる内に、Cが私のことを不思議と高く評価してくれていて、事あるごとに私のルックス、特に手脚の長さや筋肉質な体つき、それらがスポーツ(小学生時代からのバドミントン)で作り上げられていることなんかを褒めてくれるところから、じきに私のほうでもその好意に何の裏もないことが納得できていった。



夏休みの間にプールや海や高原やの、ごく一般的なレジャー地で一通りごく一般的な女子大生らしいレジャーを一緒に経験して後、彼女のある種の「お眼鏡」に適ったということだったのか、私はCから少し背伸びした冒険に誘われた。「冒険」というのは当時の私から見るとの話で、実際にどの程度Cが事の成り行きをあらかじめ見越していたのか ー 既にそういうことは経験済みで慣れたものだったのか、それともCにとっても未知数の、出たとこ勝負のスリルを求めての火遊びだったのかは分からない。ただ、彼女は ー そしてもしかしたら私も ー 女子大生という身分においていかにも女子大生らしい遊びをしている、そういう自分の現在に何かもやもや飽き飽きするものを感じていた、というふうには言えそうだった。



その冒険の内容はこうだ。それほど一般的に有名ではないが限られた層で高評価な、「都会の隠れ家」的な高級ホテルがあり、特に評判なのは各種スポーツ施設で、その中でもプールはハイ・グレードな男女の出逢いの場として機能している。そこには腹の出た中年オヤジや水遊び好きのおこちゃまはおらず、肉体美(そして当然セックス)を誇る男女がリスクなく自然なアヴァンチュールに巡り会える穴場なのだ、と。Cはそれをそのプールで監視員のアルバイトをしている高校時代の先輩から聞いたということだった。「ねえ、大学生同士とかさ、OB、OG絡みとかの関係じゃなく、見知らぬどこかのオトナのオトコ相手に食ったり食われたり、ってすごくそそられない?わたし、Nちゃんとのペアだとすごいいいオトコが釣れると思うんだよね」Cだって十分に綺麗、少なくとも顔に限ればめちゃくちゃ綺麗なのにどうして私を連れに欲しいのか、また、余裕のある大人の社会人の男がよりによってホテルのプールなんかで2人連れで行動してたりするものだろうか、と疑問はあったが、同時に私も、そのゴージャスかつ淫靡なシチュエーションに興味を強烈に惹かれたこともあって、思い切って誘いに乗って付き合うことにしてみたのだ。
(「2」に続く)





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