初夏めいた室温のダイニング・ルームでのピクニック気分のゆったりした昼食を終えかける頃、私は ー そしておそらくは妻も ー 昼日中のこれから早くも「一戦」が始まるかとそわそわした気分になっていましたが、Yの発言で思いがけず2組に別れての行動になりました。「さ、これから主人は夕食の準備にかかりますんで、よかったらMさんにはお手伝いをお願いできます?わたし、料理はいつまで経ってもからっきしなんで。Jさんはしばらくわたしにお付き合いくださいね」にこやかにそう言うとYは私の腕を取り、その場から連れ出していくのでした。



驚いたことに先の昼食は、サンドウィッチからオードーヴルやスープに至るまで全部N氏お手製のものということでした。「ー 残念ながら、この辺りってデリヴァリーやケータリングのお店がろくになくって。で、主人ったら、それこそお店の買い出しかってくらいの食材を車で廻って買いこんできたんですよ?でもおかげでわたしたち、今夜は元気いっぱいって感じで過ごせそうですけど」Yに言われて持参した水着を部屋に取りに行き、先ほどの露天風呂スペースに向かう道すがら、彼女は楽しげにはしゃいだ口調でそんな内幕話をしてくれました。そう言われてみるとただの通常の昼食にしては、牡蠣やニンニクやオクラやアボカドなど、私でもピンとくる食品類がさりげなくも満遍なく含まれていたのに気付くのでした。



手狭にも男女別となっているジャクージ脇の脱衣所で、五分丈スパッツに着替えつつも、私はまたもや弱気の虫に襲われていました。あの海外リゾートの、あの温泉宿の出来事以来、それとなく熱を入れるようになった妻に付き合うように各種のエクササイズにそれなりに取り組んできた私でしたが、競泳用ビキニなど夢のまた夢、スパッツ水着を穿いてみてもやはり、平均的な中年男の可もなく不可もない程度の体型は到底誇れるようなものには思えませんでしたから。あのモデルやアスリートやバレリーナを想わせる、美しく若々しい肉体の持ち主Yを相手に、私のような男が何をどう提供できるというのだろう?N氏から貰ったカードでその姿を見てからというもの、私が再三感じていた心ざわつく快不快の入り混じる気分というのは、彼女があまりにも若く、それこそ自分の娘であっても不思議はない年頃に見えるということだけによらず、自分がただ欲望に惚けた哀れな中年男であると自覚させられることへの怖れからのものでもあったのでしょう。



とはいえここまで来ておきながら、何か要領を得ない言い訳をひねり出して自分だけ帰路に着くというのも馬鹿げています。意を決して階段を降り石造りの湯船に向かうと、午前とはまたちがう空色のビキニを身につけたYが「おそ〜い!」とおふざけ半分のはしゃいだ声で、湯の中から立ち上がり迎えてくれるのでした。



Yの空色のビキニは、午前に見た白のそれにも増して小さく、水着と肌の境界線の灼けていない部分の白さが目立ち、それがまた綺麗に丁寧に灼かれた蜂蜜色の肌と相まって、健康で裕福なセックス・ゴッデスの伸び伸びした魅力を無言の内に放っています。先程までの弱気な内省はどこへやら、私は自分のペニスがスパッツの中で急速に硬く勃ち上がってくるのを感じました。おずおずと湯に入る私のその股間に目ざとく気付いてはしゃいだ声をあげるY。「あらっ!もう、こんなに?すっごくお元気でらっしゃるのね!」湯の中にしゃがみこもうとする私の前にYは膝立ちでいざり寄り、そのため私は、いまや隠しようもない勃起をその美しく可憐な顔の前に晒してしまっているのでした。



「あの、おじさま... 『おじさま』って呼んでもよくって?」しゃがみこんで上目遣いのYは、私の腿に軽く手を置いて尋ね、私はその不謹慎なまでにいやらしい構図にくらくらする想いのまま、頷く以外ありません。「うふ、よかった。おじさまはなぜか、わたしと目を合わせるのを避けてらっしゃるように思えてたんですけど... わたしみたいな痩せっぽちの小娘はお嫌いなのかなと思って...」そんなわけはない、君みたいに綺麗で可憐な若い女の子を前にして萎縮してしまってるだけだ、誤解させてすまない、云々と、この若い娘の小悪魔じみた手練の芝居っけを意識しながら、口早に弁明するしかない私でした。



「ああ、よかった!じゃあ、上のジャクージのほうに移動しましょうか。こっちは ー」と、この湯船と周囲の見晴らしを手振りで示し「 ー 一応建前として、陽のある内は水着着用になってるもので。それに、ジャクージからだとこっちの目線が上にある分、意外とプライヴァシーが保てるんですのよ」完全に主導権を握られたままの私は、はしゃいだ躁状態のようなYに手を取られ、彼女の言葉の内にある論理をつかみきれぬ内に、階上のジャクージへと登っていったのでした。
(「3」に続く)






にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ 
にほんブログ村 官能小説ランキング



PR

厳選 ごはんのおとも









PR

全記事表示リンク

カテゴリ

プロフィール

Author:thecollector

全記事表示リンク

最新記事

全記事表示リンク

コスチュームもamazonで

リンク

RSSリンクの表示

>