顰蹙を買うのを敢えて覚悟の上で言えば、僕はイケメンの類いではっきり言ってモテるほうです。31才の今、結婚を考えてもいいなと思えるほどの彼女もいて、感情的にも性的にも満足できる日々を送っています。でも僕の中には、2年ほど前にほんの短期間だけ付き合いのあったある美人ママさんとの鮮烈な思い出があり、それが結婚に踏み出そうとする僕の後ろ髪を常に引っ張り思いとどまらせるのです。



ある勉強と資格試験を経て現在の職に就く前、僕はずっとしがないフリーターとしてどこにでもいる普通のアルバイト店員として生活していました。「しがない」と言いましたが、不幸だとか惨めだとかの感情を抱いたことはなく、むしろ毎日、同僚やお客さん相手に「モテ生活」を送るのにスリルと充実を感じていました。年に8、9人はお客さんの女性を食っちゃってましたし、職場以外でもたくさんの10代20代女性をがっつくことなく自然に手に入れる自分のスキルと性的魅力に自信を持っていました。



そんな僕にとってお客さんのWさんは、最初の内はちょっと気になる美人ママさん程度だったのです。それまでの僕には、人妻との関係はあってもお子さんのいるママさんとの経験はありませんでした。「美人なお客さん」として認識するとほぼ同時にお子さんがいることをも知り、したがって「ターゲット候補」からは自動的に外していたのです。



いつごろからだったか、具体的なきっかけが何だったかは確とは思い出せませんが、いつしか僕はWさんのことをはっきり性欲の対象として認識し始めていました。そう意識し始めておそらく3、4回めの「遭遇」の例として、たとえばこんなことがありました — その夏の日、シックにセンスのいいクリーム・イエローの開衿ブラウスにカーキのショート・パンツという東海岸風の格好をしたWさんが商品を持ってカウンターに来ると、胸許を開けたブラウスの下は白のリブ編みのタンクトップで、どうもノーブラらしくうっすらと乳首の色が透けているのが僕には見えたのです。いつものように口数少なくお上品な微笑み顔でのうなずきを返事代わりに見せるWさんでしたが、接客ルーティン受け答えの内にも僕がその乳首に気を取られているのに気付いたらしく、いつもより若々しくちょっと恥ずかしげで、そしてどこかちょっとイタズラっぽくクスっとした微かな笑い声テイストが返事の端々に聞こえるような気がしました。あるお堅い職種に長らく就いてらっしゃる40代間近の子持ちのミセス、というのを僕は既に知っていたのですが、それが僕にはなおさら興奮させられる要素ともなりました。顔を合わせて言葉を交わしているそのほんの2、3分、僕のペニスはジーンズの中で痛いくらいに硬くなっていました。



単なる客と店員として、、いわば「衆人環視」の中でこっそり目と目で、微笑みで、声音で、お互いの好意を探り合い伝え合う、そんな日々がひと月半ほど続いてのある日、思いがけず僕たち2人はプライヴェートで出くわしたのでした。店からなら徒歩12分ほどの、「隣駅の街」と言っていいエリアにある区立図書館。たまたま料理と栄養学の本を漁っていた僕は、Wさんらしき姿 — 背格好と服装の傾向からもそうじゃないかと思えるその姿を見た時、嬉しさよりもむしろ胸が苦しく喉がカラカラになるような緊張感を覚えました。まだこちらに気付いてないWさんの、横顔がちらちらと見えてそれと確信が持てるまでの、客観時間にすればほんの十数秒の間僕は、知らんぷりをしてその場を離れるか、客と店員の範囲内にとどまる当たり障りのない対応をしようか、それとも一気に距離を縮めるような何かしらの積極策に出ようか、狂おしいくらいに焦り考えました。



と、僕の視線か、もしくは性欲オーラを感じてか、Wさんがふいにこちらを向き、目が合って軽い驚きと笑みがその目に浮かんだ時、僕の迷いはすっと消えていました。白と青のシアサッカーのシャツ・ワンピース姿はいつにも増して爽やかで上品で、それでいて夏の少女の開放感への背伸び、みたいなかわいらしいエロスを放っているようでもあり、僕の心を一気に固めさせました — このひとが欲しい、そして押すべき時は今だ、と。気が付けば僕たちは料理の話題で話がはずんでいて、その流れですんなりとWさんを僕の部屋に招くことになったのでした。
(「2」に続く)






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